静まり返る車内。


気まずいな、と思い始めると、隣から笹山さんの声が聞こえた。




「という訳ですので、私は琴弥様のお気持ちを応援いたします。

岬様はあんな性格ですが…どうか見捨ててあげないで下さい」




最後の語尾の部分で、笹山さんの声が小さくなる。


あたしは不審に思いながらも、明るく「はい!」と返事をした。




笹山さんに応援されるという事が、あたしにとって大きなパワーとなった気がして。


素直に「頑張ろう」と思えた。




「それでは琴弥様、気を取り直して参りましょうか」



「はいっ!」




あたしの勢いのある声が、車内に響き渡った。




.