「み…岬サマ?」



「はい」




いつの間にか変わっていた信号により、リムジンはまた動き出す。



確かに今日から、岬サマは迎えがいらないって言ってた。


…なんで?って聞いたら、冷たい反応をされたんだっけ?


悲しい記憶に、あたしの心がズキンと痛んだ。




「今朝、岬様の制服に発信機をコッソリ付けておきました。

何処にいるかはバッチリ分かりますので」



「は…発信機…?」




あたしの頭は突然の展開に着いて行けていない様子。



発信機って…。

笹山さん、アナタ何者ですか。




「琴弥様、知りたいんじゃないんですか?岬様がどちらへ向かうか」



「え…?」




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