「泣く程岬サマが好きなんでしょ?」
「あたしが岬サマを…好き?」
「そうよ。
アンタが岬サマに抱いている気持ちは、「憧れ」じゃなくて「恋」なのよ」
「いいコだから…」と、茜はあたしの頭を優しく叩いてくれた。
あたしはそっと自分の胸に手を当てる。
今まであたしは、ずっと岬サマを追いかけてきた。
毎日、岬サマの事で頭がいっぱいだった。
だけど、その気持ちは…「恋」だったの?
「あたしはとっくに琴弥は自覚してるのかと思ってたけど…その様子だと、今始めて気付いたんでしょ」
「え…?う、うん…」
あたしは茜に頭を叩かれたまま、信じられないような自分の気持ちと格闘していた。
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