「ねーぇ、琴弥…」 何がしたかったんだろう。 「ちょっと…聞いてる!?」 あの保健室での出来事が、あたしの頭の中で巡り巡っている。 …岬サマの目的が分からないよ。 あたしをからかって、遊んでたのかな。 それとも――― 「アンタの耳はどこにあるんじゃー!」 「きゃあっ…!!」 突然耳元で響いた声に、あたしは危うくイスから落ちそうになった。 目の前には…無理矢理作っていると思われる笑顔を貼り付けている茜。 どうやら、あたしは茜の逆鱗に触れてしまったみたいだった。 .