「腹減った」
「え…」
「メシ、早く」
それだけ告げると、岬サマはあっという間に眠りの世界へと入り込んで行った。
岬サマってアレだよね。
世間で言う「俺様」…。
小さく溜め息をつくと、ある疑問が頭の中に浮かんできた。
そういえば。
何で岬サマは急にここに戻るなんて言い出したんだろう。
それと…笹山さんが言っていた、「あの事」。
あたしが首を突っ込む事ではないけれど、打ち解けた関係になれた日には、岬サマは話してくれるかな…?
あたしはそんな事を思い描きながら、夕食を作る為にキッチンへと向かった。
…岬サマの過去や、ここに戻って来た理由を知るのは、まだ先の話。
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