「という事だからよ…一応謝る。

………ごめん」



「岬サマ…」




視線はやっぱりフローリング。

あたしの目を見てくれない。



だけど…




「岬サマ、もしかして謝る事に慣れてない?

顔、真っ赤だよ?」



「…うっせー」




…少しだけあたしに心を開いてくれたみたいだから、今回の事は許してあげようかな。



あたしが小さい声で、「もういいよ」と呟くと、岬サマはゆっくりとあたしの顔を見た。



その瞬間、あたしは苦しい程のドキドキに襲われた。



…初めて岬サマと目が合った。

昨日もさっきも、決して人の顔を見る事などなかったのに。




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