「岬は今どちらに?」
「あ…たぶん部屋だと思います」
「分かりました。ちょっと行ってみますね」
亨さんはあたしに軽く会釈をすると、キッチンを出て岬サマの部屋へと向かって行った。
少しずつではあるけれど、だんだんと岬サマと亨さんの溝がなくなっている気がする。
…それは凄く嬉しい事だ。
「…琴弥様、私も何かお手伝いいたします」
「え…?」
「岬サマの誕生日ですから」
笹山さんは包丁を手に取り、近くに準備していた野菜を切り始めた。
…岬サマ、貴方は一人じゃないよ。
こんなにたくさんお祝いしてくれる、仲間がいるんだから。
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