そして、そのままマンションの地下駐車場へと向かうと、笹山さんはリムジンの後部座席のドアを開けてくれた。




「琴弥様、どうぞ」



「…ありがとうございます…」




あたしがリムジンに乗り込んだのを確認すると、笹山さんはスムーズなハンドルさばきで地下駐車場を出て行った。


変わりゆく景色を眺めながら、あたしはふと気付いた事を口にした。




「岬サマは今日どうやって学校に来るんですか?

笹山さん、岬サマの専属運転手なのに…」




確かに、岬サマは毎日笹山さんの運転で学校まで通っていたはず。


でも、笹山さんはここにいて、あたしを学校まで連れて行っている。


…それじゃ、岬サマは?




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