「それでは、学校へ向かいましょう」




そう微笑むと、玄関へと向かい出す笹山さん。


…今、なんて?




「笹山さん、あたし一人で学校に行くんじゃないんですか?」



「何をおっしゃっているのですか。

私の仕事は、琴弥様をマネージメントして行く事でございます。

今日から、学校まで昨日乗られたリムジンで登校していただきます」




いきなり笑顔になる笹山さん。


…あたしに拒否権を与えないつもりだ、この人。




「という訳ですので。

学校へ向かいましょう、このままでは遅刻してしまいますよ?」



「…はい」




あたしは違和感を持ちながら、マンションを出た。




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