「言いにくいんだけど… 浮気してたのよ、岬のお母さん」 「…は?」 …浮気? 予想もしていなかった言葉が、俺の身体を駆け巡る。 「岬のお父さん・亨さんと、お母さんの美雪さんは、政略結婚だった」 久しぶりに聞いた、俺の母さんの名前。 「美雪」という言葉に、何だか胸が熱くなった。 「昔から亨さんはバリバリの弁護士だったし、美雪さんの家は貿易会社の一人娘。 当時、美雪さんには付き合っている彼もいた。 …だけど、その彼が一般人で、美雪さんのご両親は交際に大反対したのよ」 .