「ずっと前に、マタニティショップから、岬サマと女の人が出てくる所を見たんだよね」



「それが…岬サマの彼女だって事?」



「うん。確証はないけど、仲良さ気だったし、たぶんそうだよ」




あたしは全てを話すと、茜はなんだか複雑そうな表情をした。




「その人、本当に岬サマの彼女なのかなあ…?」



「え…?」



「あたしは何て言うか…琴弥の話を聞く限り、違うようにしか思えないんだよね…」




うーん、と首を捻り始める茜。


あたしは、茜がなんでそんな事を言い出したのかが分からなかった。



もしも、岬サマの彼女じゃなかったら…

あの人は、岬サマの何なの?



岬サマが、あんな柔らかい表情を見せる、あの人は―――




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