静かに昇っていくエレベーターの中で、あたしは気になっていた事を口に出した。




「…岬サマ」



「なんだよ」



「どうして分かったの?

…あたしが両親に会いたいって思ってた事…」




言い終わった後、あたしは真剣な表情で岬サマと視線を合わせた。




ずっと気になってた。


―――「両親に会いたい」

この事は、あたし一人の胸に秘めていた想い。


誰にも話してなんかいなかったのに…。




「なんで、岬サマは分かったの?」



「…お前の顔に書いてあったからだよ」



「へ…?」




.