「笹山さん…」
「ですよね?琴弥様」
この人はどうして…いつもあたしの気持ちが分かるのだろうか。
笹山さんはなおも言葉を続ける。
「それに、先程岬様がご帰宅されました」
「岬サマが…?」
あたしは、車内に付いてある時計を咄嗟に見る。
時計の針は既に十時を過ぎており、あたしがバイトを終えた時間を大幅に越していた。
「その時の岬様は、ひどく後悔された表情をされておりました。
そして、私に「琴弥様を頼む…」と頼んで来たのです」
「岬サマが、後悔してた?」
あたしは笹山さんの言葉を思わず疑ってしまった。
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