あたしはまばゆい程の光に、思わず顔をしかめる。
ライトでよく見えないけど、その車はどこかで見たような形をしていて。
「な…に…?」
手でライトを隠しながらその車を見つめていると、運転席の方から、スーツ姿の男性が出て来た。
その人はあたしを見るなり、優しく微笑んで手を差し延べる。
「そこに座っておられましたら、また風邪を引きますよ?琴弥様」
「…笹山さん」
いつもの変わらぬ口調であたしの手を取ると、怠くて動かない身体をそっと立ち上がらせてくれた。
「帰りましょう、家に」
「…はい」
あたしはいつものように、リムジンの助手席に乗り込んだ。
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