確か、今日の朝、岬サマに空き教室で抱きしめられて…。
―――「お前はずっと俺を見てればいいんだよ。
他のヤツの事は考えんな」
あ…この言葉の事か。
岬サマは、あたしの事なんか何とも思ってなかったんだ。
それに、忘れようとしていたけど…岬サマには彼女も子供もいるんだっけ?
「忘れる事なんて無理だよ…」
目には涙が溜まっている。
だけど、どうしても涙を流したくはなかったんだ。
…強くなりたいから。
強い心になりたいから。
溢れそうな涙をグッと堪えた瞬間、あたしの目の前に一台の車がライトを光らせながら停まった。
.

