開いた口が塞がらないというのは、この事を言うのだ。
玄関に大きな叫び声をあげながら登場したのは、あたしの父と母。
よく分からない展開に、ただあたしは黙り込むばかり。
「十七歳の誕生日おめでとう」
「た…誕生日?」
あたしが母に尋ねると、今度は父が口を開いた。
「何言ってるんだ。
今日は琴弥の誕生日だろうが」
「あ…」
あたしは思わず口を押さえた。
…そうだ、忘れてた。
今日は、あたしの誕生日。
「お父さん、お母さん…」
いい加減な両親だと思ってた。
あたしの事をほったらかして。
だけど…あたしが忘れていた事をきちんと覚えていてくれた。
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