あたしはギュッと拳を作ると、勇気を振り絞ってダイ君を見た。




「あのね、あたし…好―――」



「あかんっ!琴弥ちゃん可愛過ぎるわっ!」



「は…?」




あたしは訳が分からずに、思わず声が漏れる。


そんな困り気味のあたしに向かって、ダイ君のテンションは高くなっていくばかり。




「琴弥ちゃん、やっぱ可愛過ぎやろ!大好きやぁ!」



ダイ君はそのままあたしに抱き着こうとしてくる。


あたしがダイ君を交わそうとした時、自分の顔付きが変わったのが分かった。




ダイ君の少し後ろに、同じ髪の色をした人がいた。


その人は、あたしを睨むように見つめてきて。


あたしの口からは、無意識のうちに声が漏れていた。




「…岬サマ………」




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