「お疲れ様、ダイ君」
「琴弥ちゃん、一緒帰らん?」
ダイ君はあたしに満面の笑みを浮かべる。
あたしは手のひらを前に出して合わせた。
「ダイ君ごめんね!あたし、バイトの後は早く帰らなくちゃいけなくて…」
「そーなんかぁ…。残念やな…」
その言葉をきっかけに、ダイ君は少しずつ歩き出す。
そして、数歩歩いた所で急に立ち止まってあたしを見た。
「ダイ君…?」
「俺な、今日気付いたわ」
そう言うダイ君はやっぱり笑顔。
でも、次にダイ君の口から出てくる言葉は予想外のモノだった。
「俺、琴弥ちゃんの事好きや!」
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