あまりのダイ君の明るさに呆気をとられながらも、あたしはホールの仕事に集中する。
気が付けば、もう上がりの時間となっていた。
「お先に失礼します!」
あたしは同じホールの先輩に挨拶すると、小走りで更衣室へと向かった。
エプロンを脱いで制服に着替えると、急いで更衣室を出る。
家には岬サマと笹山さんがいる。
笹山さんはただでさえ忙しい人なんだから、早くあたしが家に帰って笹山さんに休んで貰わないと!
そんな事を考えながら、あたしが従業員用の出入口から出た時だった。
「お疲れ様や、琴弥ちゃん!」
あたしは聞き覚えのある声に呼び止められた。
自然に足も止まり、あたしはちょうど出入口で立ち止まっていたダイ君に目を向けた。
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