あたしはそんなダイ君を見て、胸が苦しくなる。
ダイ君は、そんなあたしの異変に気付いたらしく、いつものトーンで話し始めた。
「姉貴から聞いたやろ?」
「えっ…?」
「俺らの話の事や」
あたしはダイ君の切り出してきた話に驚きながらも、控えめに頷いた。
あたしの反応を見たダイ君は、何故か安心した表情を浮かべていた。
「あの事な?さっき姉貴とすれ違った時にコソコソって言ったんや。
「琴弥ちゃんに全てを話してや」ってな」
「ダイ君っ?」
「ま、この話の続きはバイト終わってからや!」
ダイ君はそう微笑むと、小走りでオーダーを持って行った。
.

