事務所に独りぼっちになってしまったあたし。
複雑な気持ちで、側にあったシフト表を見る。
どうやら、沙貴さんのシフトは入っていないらしく、あたしにダイ君の事を紹介する為だけに来てくれたみたいだった。
「ダイ君も沙貴さんも、大変だったんだな…」
沙貴さんもそうだけど、ダイ君の明るさでは、そんな事考えられなかったよ。
あたしは動かない思考回路を無理矢理始動させると、ダイ君の待つホールへと向かった。
「遅かったなぁ、琴弥チャン!」
「あ…ダイ君…」
ホールに入るなり、オーダーを取り終わったダイ君と遭遇した。
ダイ君はあたしの気持ちとは裏腹に、明るくあたしに接してくる。
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