結局、岬サマの震えが治まったのは、一時間目が終わろうとしていた時だった。
あたしがそっと岬サマの背中に回っていた腕を離すと、岬サマは我に返ったように、あたしを立ち上がらせた。
「ゴメン…俺、何やってんだろうな」
栗色の髪をくしゃくしゃにして自分を嘲笑う岬サマを見て、あたしはつい声を荒げてしまった。
「…我慢しなくていいよ?」
「………琴弥?」
「岬サマが辛い時、いつでも話聞くから!
だから、岬サマの感情…あたしにぶつけてよっ…!」
息を荒げるあたしを見て、岬サマの顔からは先程までの切なそうな表情は消えた。
「…やっぱりお前、変なヤツだよな」
そう呟いた声は、あたしには届いていなかった。
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