部屋で充電していたケータイを手に取ると、茜とバイト先に連絡を入れる。



茜は電話越しで「バカは風邪引かないんじゃないっけ?」ってからかってくるし、

バイト先は、ただでさえいっぱい休んでいたから、「休みます」の一言がなかなか言えなかったりで。



やっと電話を終えたのが、あたし達がいつも家を出る時間だった。


疲れきったあたしは、笹山さんが渡してくれた冷えピタをおでこに貼ると、ベッドに潜り込む。




…岬サマ、少しでもいいから心配してくれたっていいのに。


あたしはそんな事を思いながら眠りについた。






「…琴弥、大丈夫かよ」




夢の中で、岬サマがあたしに話しかけてくれる。

なんて幸せなんだろう。




「無理するなよ?」




もういっそ、このまま眠っていたいな。




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