「なんで岬サマはあたしを迎えに来てくれたの？」




段々と身体に溜まった熱が取れてきた頃。

あたしはふと思った疑問を岬サマにぶつけてみた。


そんなあたしの言葉を聞いた岬サマからは、溜め息が聞こえる。




「笹山にマンションを追い出されたんだよ。

お前を迎えに行かねーと、家に入れねーぞ、ってな」




岬サマの拗ねたような声に、あたしは思わず笑ってしまう。



さすが笹山さん。

岬サマの扱いに慣れてるな。




「笹山さん、岬サマには容赦ないよね」



「なんでだろうな。俺、なんかしたか？」




不思議だ。

あたし、普通に岬サマと話せてるよ。



今朝は、あんなに岬サマの事避けてたのに。




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