あたしは傘を拾う。
「折角俺がわざわざ傘持って来てやったんだから、ありがたく使えよ」
「う…うん」
傘を急いで開くと、先に歩き出した岬サマを追いかけた。
前を歩く岬サマから二メートル後を歩くあたし。
ただ、無言の空間があたし達の間を覆っている。
気まずい、そう思ったあたしは岬サマに追い付こうと走り出した。
と同時に、あたしは足が縺れて変な声を出しながらズッコケてしまった。
「痛っ…」
予想外の痛さに自然に声が出る。
コケた衝撃で傘が飛び、身体中が雨にうたれる。
「情けな…」
「お前なんで何もない所でコケるんだよ」
コケたあたしに気が付いた岬サマは、さりげなくあたしに傘をさしてくれた。
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