絶対キケン恋愛-☆年下王子とLOVE×PANIC!☆-




そして、笹山さんはさっき、「色々な意味で」って言ってた。


それはたぶん、あたしが昨日岬サマを見てしまったって事を知っているって意味だ。



…やっぱり笹山さんは大人。




「早いですけど、召し上がってください琴弥様」



「ありがとうございます、笹山さん!」




あたしはなんだか気持ちが軽くなった気がした。


笑顔で席に着くと、笹山さんお手製の朝ご飯を食べ始めた。



誰かが作ったご飯を食べるのは久しぶりだった。

父と母と暮らしていた時は、ほとんど一人暮らしみたいなものだったし。



だから、こんな些細な優しさが、あたしの胸には痛いほどしみる。




「おいしい…」




ポツンと呟いた声は、笹山さんには聞こえていなかった。




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