「おはようございます、琴弥様」
制服に着替えてリビングに向かうと、そこには何故かいるはずのない笹山さんがいた。
今は、朝の五時。
いつも笹山さんは六時くらいにここに来るはずなのに。
あたしが首を傾げていると、ふとある光景が目に入った。
「笹山さん、ここに用意されてある朝ご飯はどうしたんですか!?
それに、洗濯物も干されてるし…」
ダイニングテーブルの上には、綺麗に並べられた豪華な朝食が置いてあった。
いつもはあたしが作っているはずなのに…どうして?
「勝手ながら、私が作らさせて頂きました。
昨日琴弥様も色々な意味でお疲れでしょうし、力になりたいと思いまして」
そう言う笹山さんの微笑みに、あたしは感謝で胸が熱くなった。
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