焦る気持ちとは裏腹に、なかなかその場から足が動かない。 まるで、あの運転手があたしの事を縛っているかのように。 やがて、校舎の方を向いていた岬サマファンも異変に気付き、あたしに近付いて来る運転手の事をジっと見つめ始めた。 「百瀬琴弥様、ですよね?」 「は…?」 運転手にいきなり話し掛けられ、思わずあたしは困惑の声を出してしまった。 あたし達を見る岬サマファンの目が…痛い。 …というか、なんであたしの名前を知ってるの? そして、何故に「サマ」付け? 「お迎えに上がりました、琴弥様」 .