「ほら琴弥、岬サマ来たよ!!」



「ほ、ほんと!?」




ザワザワする廊下。


あたしの一日はこのざわめきから始まる。




友達の吉村 茜と一緒に、教室から身を乗り出して廊下を覗きこむのは、


―――あたし、百瀬 琴弥。






そして、あたしの視線の先にあるのは……





「キャーッ…!!」



「岬サマーっ!!」





今日も、たくさんの生徒に囲まれている


―――学校の王子様だったりする。




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