あれから、約2週間が過ぎた。



「これで荷物は、全部だよね?」

「うん。確認しすぎだって。」


奈津美さん達が笑う。


今日、慶にぃはこの家を出て行っちゃうんだ。


「じゃぁ頑張れよ。」

「うん。」


奈津美さんとお父さんが、玄関の前でお見送り。


その少し後ろに、あたしと貴にぃがいた。



「ばーか。」


貴にぃがあたしに向かって、そう言った。




ばかって言われても…


あたしのわがままなんか、言えるわけないじゃん。





あたしは、慶にぃを見つめた。





昨日、夢を見た。