「あ、雪降ってない?」 誰かの声に、あたしは教室の窓から外を覗いた。 白い小さな雪が、風にのって舞い降りているのが見える。 秋はすぐに過ぎて、あっという間に冬が来ていた。 「積もるかなぁ?」 「んー…」 「今年こそはホワイトクリスマスがいいな!」 美月が目を輝かせて言った。 もうすぐクリスマス。 彼氏のいないあたしに比べて、美月はしっかり予定が入っていた。 「いいなぁ、彼氏持ちは。」 大袈裟に言ってみる。 「真衣は??」 「え?」 「誰と過ごすの?」 「まだ決まってないけど…」