ぼくは勘違いをしていたんだ。
莱は、もっと弱い女の子だと思ってた。
本当は、前を向いている強い女の子なのに。
「いいなぁ。そんなのもらえて。俺なんて全種類のソイジョイだったのに」
桜色の石を見てブツブツと言う和之。
ソイジョイって……本当に健康オタクな彼女だな。
「まぁ、希莉よかったな。プレゼントもそうだけど、莱ちゃんが好きでいてくれて」
和之は、肩に腕を回して自分のことのように安心した顔をしてる。
「うん、よかった」
ぼくも安心から笑った――。
嘘が全て悪いものとは限らなくて、嘘が人の気持ちを楽にしてくれる時がある。
嘘から始まった恋。
でも、もう嘘なんてつく必要ないよね。
ぼく達の気持ちに嘘はないから。
――ねぇ、莱。
ずっと、そばにいて――。
【完】