何をするかと思ったら、彼女は耳につけている緑色の石のピアスを外し、地面に落とすと靴の裏で踏みつけた。
パリッとピアスは割れる。
矢沢からもらったピアスが――。
「優羽はあたしの心で生きてる。だから、こんなものなくても大丈夫!」
粉々になった緑色の石を見つめて唇の両端を上げた。
地面からぼくに視線が移すと、莱はラッピングされたものを指差して「開けてみて」と言ってくる。
言われた通り、投げつけられたものを開けると
「うわ……。キレイ」
桜色のキレイな石がついたキーホルダーがラッピングされていた。
「でしょ?亜沙美と遊びに行ってる時に見つけたの!」
――莱の笑顔は消えない。