……?
ぼくは頭の回転が遅いのか?
「あたしの幸せを1番に願って、死んだ」
訳わかんねぇ。
「……もっと簡潔に言えって」
絞り出したような声を出すと、目を閉じて莱はため息をついた。
まぶたを上げると胸ぐらをつかんでいた手を、ぼくの背中に回した。
「優羽が死んでから、ずっと一緒にいてくれたのは希莉じゃん。あたし、希莉がいたから悲しい涙を流さなかったのに……」
全然簡潔じゃねぇじゃん。
「だから、もっと――…」
「希莉が好きなの!ずっとそばにいてよ」
ぼくの言葉を遮って、莱は……“好き”と言った。
本当に……?
「冗談だったら、傷つくから止めてくんない?」
「あ。希莉信じてないんだ。じゃあ、こうすれば信じてくれる?」


