矢沢のことを思い出したんだろ?
ぼくのこと嫌いになったんだろ?
……期待させんなよ。
「なんで希莉が帰るんだよ!渡したいものがあるって言ったじゃねぇかよ!」
な、なんか莱の言葉遣いが乱暴になってるんだけど……。
ビックリして動けないでいると、莱はラッピングされたものを投げてきた。
「痛っ!」
「逃げるからじゃん!希莉は何も分かってない!」
ぼくを睨みつけながら彼女はズンズンと近づいてくる。
体が30cm手前のところまで来ると胸ぐらをつかまれた。
隣で目をパチパチとさせながら口を手で隠す和之。
「優羽は、あたしがずっと優羽を好きでいるのを望んでないんだよ」