矢沢に対する想いが詰まった文章を読んだら――思い出したりするかもしれない。


「見して」


「ダメ!絶対にダメ!」


捨てられる、うそつきのぼくは捨てられる!


莱と一緒にいたい、2年も一緒にいたのに離れるなんて嫌だ!


「なんでよ!それ多分あたしのでしょ!?なんで希莉がダメとか言うの?」


「それは……」


――日記帳を渡すしかねぇの?


「希莉?」


……~っ。


結局何も言い返せなくて、水玉が描かれている日記帳を莱に渡した。


彼女は受け取ると日記帳を開いた。


「え?この優羽っていう人……」


唇を開けたまま、文章を目で追いかける。