私は月に手を差し出した。 怪訝な顔をする月に、私は言った。 「うまく言えないけど…… 私は月が悪いとは思わない。 でも、月が自分を許せないなら。 思う存分どん底まで落ちればいいよ。 どん底まで落ちたら、この手を掴んで? 私、引き上げるから。 月は這い上がってきて!」 そう言った私を、月は驚いた顔で見つめた。