ふいに、月が私より先に話し始めた。 「明日香……だっけ?」 名前……覚えててくれたんだ…… 私は少し嬉しくなって、口元が緩むのを感じながら頷いた。 「ここに来たってことは、羽生さんに聞いたんだろ?」 月が人を殺したということだろうか。 私は曖昧に頷いた。 私の仕草を見て、月はちょっと溜め息をついた。