羽生さんは、私を取調室へ案内した。 ドアは開け放ったまま、私に椅子を勧めた後、二人分のコーヒーを持ってきた。 羽生さんはコーヒーをひとくち飲み、私の目を見据えて話し始めた。 「アイツはな……過去に人を殺してる」 そう言うと言葉を切り、私の反応を確かめるように押し黙った。