家に帰ると、案の定父親が玄関に立っていた。 しかし、私が泣きはらした目で帰ってきたのを見て、何も言わずにそっと離れていった。 私は自分の部屋へ入り、ドアを閉めてその場へ崩れ落ちた。 会話が出来たことで舞い上がっていた私の心は、拒絶された現実に悲鳴をあげていた。 数日前まで、『キレイな記憶だけでいい』なんて思ってたけど、 会いたい…… 見つめたい…… 知りたい…… これは欲張った罰なの?