真っ白に透き通った月は、青空によく映えていた。 月の模様まで見えそう。 それだけ近くに感じるのに、本当はとても遠い月。 そんなことをぼんやりと思っていると、後ろから母の声がした。 「電話だよ」 振り返ると、母が私の携帯を持って、ニヤニヤしていた。 「月って出てるけど」 その名前に私はどぎまぎしながら、母から携帯を受け取った。 何だろう、遅れて来るんだろうか? そう思いながら、私は電話に出た。