ひとしきり笑ったあと、ピタリと笑うのをやめ、無表情で月と私を見る。 「……本気なんだな。 その方が、散り散りになったときのショックは大きい」 そして再びニヤリと笑い、言った。 「オマエと出会ったことを、後悔させてやる」 亜龍がそう言った時、月は一瞬ビクンと体を震わせた。 私は亜龍に気付かれないように、そっと月の背中に触れた。 大丈夫。 私は後悔なんかしていないよ。 精一杯の気持ちを込め、月の服を握り締めた。