否定した私に、マスターは優しく微笑んだ。 そして、私の手を引き、言った。 「キズ大丈夫なら、外へ行かない? ずっと病院の中じゃ、気も滅入っちゃうよね」 私はその言葉に思わず頷き、マスターと一緒に歩きだした。 非常灯が足元を照らした廊下は静かで、マスターの靴と、私のスリッパの音が、響き渡っていた。