しばらくしてマスターも 「ちょっと廊下にいるから」 と言って、病室を出て行った。 部屋には月と私の二人きり。 しん、と静まり返るなか、私は月の顔を見ていた。 月の頬に、私の涙のあとがついている。 私はそっと、そのあとに触れた。 ドキドキと脈打つ私の心臓に、私は苦しくなる。 私はそっと月に寄り添うように、 キスをした。