がらんとした病室で、私はしばらく思いを巡らせていた。 ベッドの中で横たわり、天井を見据えながら、月の無事を祈った。 目の前に広がる白い天井は、心をうすら寒くさせる。 私の目から、一筋ふた筋と涙が流れ、その温もりが冷える頃に巡回の看護師が来た。 「気分はどう?」 紋切り型の質問に、ぼんやりと受け答えをする。 看護師はいちいち頷き、何かしらのコメントを返しながらメモをとっていた。