「なんだか放っておけなかったんだよね。 愛情に飢えてるっていうかさ、 痛々しさもあったんだけど……」 マスターはそこで話を切って「おかわりは?」と言い、私は首を振った。 「そう。 なんていうか…… 小さな子供が泣きじゃくってるように見えたんだ」 「そしたら、抱き締めてあげたくなって。 勿論、半端ない抵抗があったけどね」 最後は苦笑まじりに呟いた。 「本当は自分が、誰かに必要とされたかったのかもしれないね」