「そのタチの悪い奴らが、この辺り一帯に、月の悪い噂というか……人殺しだってことを言いふらしてね。 嫌な思いをするかも…… 月はあの通りの性格だし、僕もまぁ覚悟して雇ってるわけだけど…… 明日香ちゃんも知ってた方がいいと思ってね」 マスターは少し言いにくそうに口ごもった。 しかし、私が頷いたのを見て、ほっとした顔をした。