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機体が浮き上がった途端、シロナは一瞬体を強ばらせた。

それを見て僕が笑うと、彼女は澄まし顔で眼下の景色に視線を移した。

真下に海が見えた。

海面に写った機体の影が、旋回しながら小さくなっていく。

タールのようなどす黒い青から、爽やかなマリンブルーへ。

太陽の加減によって、海の色はまるで別の顔を見せる。

光と影。

その境界線の海の底は、一体どんな色をしているのだろう。

海底しか知らないシロナには、空から見る海の色はどんな風に見えるのだろうか。

そんなことを考えているうちに、海は真綿のような雲の下に消えた。