「これで満足かよ」 俺から花帆に話しかけるのは初めてだった。 教室で友達とノートを見せ合っている花帆に近付いた。 花帆は・・・・・・目をまんまるくして、俺の髪を見つめた。 「嘘・・・・・・どうして?」 ばかか? 自分が染めろって言ったんだろ? だから染めたのに。 「お前がうるさいからだろ」 花帆は、また涙をこらえて、切ない瞳で俺を見つめた。