危うく車に乗せられそうになったところを、 私は振り切って全力で走り出した。 外はもう真っ暗だけど、うちまで走れば5分で着く。 ううん、そうじゃなくて・・・。 私はただ走りたかっただけなんだ。 頭の中のごちゃごちゃした、このやっかいな、 感情という名の生き物をなんとかしたくて・・。 必死で腕を降り続けた。 家に入るときに、後ろを振り返ったけど・・。 追いかけてくるわけない、っか。